コーヒーのおいしさを味や香りで表現するとき、どんな言葉を使いますか?
もしくはどんなコーヒーの味が好きですか?
できるだけ具体的に言葉で表すなら、ぼくは「すっきりしているけれど苦味がさっと消えてコクを感じる味」(長ったらしい)
さぞこだわりがあるように聞こえますが、全然そんなことなくて、ぼくはコンビニコーヒーでもおいしいと感じれる人間です。
コーヒーのおいしさの話ですが、一般的には「酸味がある」「コクがある」「苦味がある」などが多いでしょう。
ちなみに、自分がどんなコーヒーが好きなのかわからない時は、素直な気持ちを店主に伝えましょう。
数種類の豆を扱っているところなら、最適な豆を選んでくれます。
例えば「酸味が苦手」「苦味が好き」などを伝えるだけで、おおよその豆は決まります。
ここで覚えて欲しいのは焙煎度です。
コーヒーの酸味や苦味は、焙煎によって大きく変わるので、そのことについては別記事でご紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
日本人は味覚や嗅覚を、どこか抽象的に表します
日本人が味や匂いを表現するとき、雰囲気を大事にしているというか、オブラートに包む癖がついているのか、奥ゆかしさを楽しんでいるのか、抽象的に聞こえます。
それだけで日本語ってムズカシイ…となりそうです。
ぼくはそんな日本語が結構好きなんですが。
そしてそれはネガティブにもポジティブにも取れる言葉です。
例えば同じ「苦味」でも、意図しない苦味に対しては「まずい」と感じ、コーヒーやゴーヤなどの「苦味」に対してはポジティブな感情を抱きます。
もちろん苦すぎるコーヒーやゴーヤはNGだし、そもそも苦味が苦手な人にとってはポジティブも何もありません。
海外では苦味をどう表現するのか?
英語で苦味は「bitter」です。
ぼくはネイティブな英語はサッパリ分からないのですが、どうもbitterという単語にはネガティブなイメージがあるようです。
日本人が聞く「ビター」と英語での「bitter」は同じようで、若干ニュアンスが異なるんですね。
日本人が「このビターなコーヒーはおいしいね」というと、それは褒め言葉として日本人のぼくたちは捉えることができます。
しかし苦味がウリのコーヒー豆でも海外では「bitter」という単語は使いたがりません。
「Bitter coffee tastes good」と海外の人に伝えると、皮肉と捉えられてしまうかもしれません。
その表現方法の違いは、コーヒーの味を表現するときの意思疎通を迷わせます。
例えば褒め言葉でビターと言ったつもりでも、相手に皮肉に捉えられてしまったら場が冷え切ってしまうでしょう。
では海外ではどう表現するのが正しいのか?
「まるでチョコレートのような苦味」と付け加えることで、褒め言葉として成り立ちます。(もちろん相手の受け方次第です)
より具体的な表現が海外のコーヒー通の方には喜ばれるでしょう。
ちなみに、海外の人みんながこのような言い方をするとは限りません。
あくまでもコーヒー関係者の間で使われている言葉で、それが最近は一般にも普及している「専門用語」のような表現方法だと考えていてください。
この表現方法を決めた背景や、その他のいろいろな情報は長くなるので省きます。
詳しく掘り下げてみたい、という人はこちらの本を。
今回は、本の内容から、心に残ったところをピックアップしたコラムです。
深く入り込むと歴史的背景や、売るための戦略や思惑、なぜそのような表現になったのかが理解できます。
コーヒーの味の表現方法にとやかくは言いませんが、普段は自分の感じたまま、コーヒーの時間を楽しんでもらえたら良いなぁと思います。
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