コーヒーの代表的な味のひとつ、酸味。
コーヒーの酸味には、良い酸味と悪い酸味があります。

どちらかというと、酸味が苦手。でもちょうどいいと感じる酸味は、爽やかで好き。
この記事では「コーヒーの酸味が強い原因」についてご紹介します。
酸味の原因は、入れ方やコーヒー豆の種類によるもの。
酸味が好きな人や逆に苦手な人は、参考にしてみてくださいね。
「酸味」と「すっぱい」は違う?
コーヒー業界では「酸味」と「すっぱい」は区別されます。
酸味は「acidity」と、すっぱいは「sour」と表現されるのです。
酸味(acidity)はポジティブに、すっぱい(sour)はネガティブな味の表現として使われます。
コーヒーには「良い酸味」と「悪い酸味」があり、良い酸味は「爽やかな風味」や「さっぱりとした味わい」をプラスしてくれます。
コーヒーの酸味の原因4つ

コーヒーが持つ酸味には、はっきりとした原因があります。
その代表的な原因を4つ、解説していきます。
酸味が強い原因その1. 焙煎が浅い
酸味の原因にひとつとして、焙煎度によるものが挙げられます。
浅煎りのコーヒー豆は、酸味が強くなる傾向があるためです。
コーヒー豆は、焙煎を進めていくうちに酸味が出てきます。
浅煎り〜中煎りにかけて、酸味の元となる「ショ糖」などが分解されていくことが原因。
そして「中煎り〜深煎り」になるにかけて「酸味成分は熱分解される」などして、落ち着いていきます。
酸味が強い原因その2. 鮮度が落ちている
鮮度が落ちたコーヒー豆は、酸味と言うよりも「ネガティブなすっぱさ」の原因に。
コーヒー豆は鮮度が落ちるにつれて、悪い酸味が強くなります。
嫌なすっぱさを感じるコーヒー豆は、鮮度が落ちている可能性があります。
コーヒー豆が湿度にさらされていると「クロロゲン酸」や「キナ酸」といった成分が「酸味」を持つようになるからです。
またコーヒー豆が本来持つ「脂肪酸」は、酸化が進んで劣化することによって、すっぱさを感じるようになります。
酸味が強い原因その3. お湯の温度が低い
コーヒーを抽出する際、お湯の温度が低いと酸味が際立つ原因に。
さらに「苦味」や「甘み」といいった味わいが抽出されにくくなるため、味のバランスとして酸味を強く感じるようになるのです。
「お湯の温度が低い」とは80℃以下だと考えてください。
コーヒーの味のバランスを整えるためには、80℃〜95℃以内で抽出するようにしましょう。
酸味が強い原因その4. コーヒーには元々酸味がある
そもそもですが、コーヒーには元々ある程度酸味があります。
コーヒー豆は、コーヒーチェリーという果実の種。
その種を焙煎することによって、コーヒーを飲み物として飲むことができるようになります。
元々が果実の種なので、様々な酸味の成分(クロロゲン酸やリンゴ酸、クエン酸など)が含まれているものです。
その他にも焙煎の過程で生じる酸味もあり、コーヒーには元々、たくさんの酸味成分が含まれています。
コーヒーの酸味を抑えるコツ4つ

コーヒーの酸味を抑えたい人は、次の4つのコツを実践してみましょう。
酸味の原因を知ってコツを抑えておくだけで、酸味が少ないコーヒーを淹れることができます。
1. 焙煎が深いコーヒー豆を選ぶ
酸味を抑えたコーヒーが飲みたい人は、深煎りのコーヒー豆を買うようにしましょう。
深煎りのコーヒー豆は苦味やコクが強く、あまり酸味が主張されません。
酸味の成分も、焙煎過程の熱によって分解されています。
酸味の原因を取り除くには、深煎りのコーヒー豆を使うことがベストです。
2. 鮮度の良いコーヒー豆を選ぶ
鮮度の良いコーヒー豆を買えば、嫌なすっぱさの原因解消になります。
嫌なすっぱさを感じたくないなら、できるだけ焙煎日から近いコーヒー豆を購入するようにしてください。
チェーン展開している大きなお店は、たとえ「コーヒーが強み」と打ち出していたとしても、あまり鮮度に期待できません。
通販で買うなら注文を受けてから焙煎をするようなお店、コーヒーショップで買うなら焙煎機が置いてあるようなお店で、買うようにしましょう。
3. コーヒー豆をきちんと保管する
コーヒー豆をちゃんと保存すれば、酸味の原因となる劣化を防ぐことができます。
コーヒー豆は、必ずしっかり保管しましょう。
ただし、しっかり保管をしていても、コーヒー豆は劣化するもの。
賞味期限としては、だいたい2週間ぐらいで飲みきるのがベストだと考えておいてください。
2週間以上経つと、劣化スピードは加速します。
どんどん酸化が進み、嫌なすっぱさの原因になるので注意しましょう。
4. お湯の温度を高めにする
お湯の温度が低いと、酸味の原因になります。
お湯の温度が低すぎると酸味が強調されるので、高めの湯温でドリップするようにしましょう。
沸騰したお湯をドリップポットに移し替えた程度でも5℃程度下がります。
湯温の調整をしたことがないという人は、実践して体感してみてください。
良い酸味のコーヒーを楽しむなら試したいこと3つ

酸味は好きでも、たまに嫌な酸味を感じることがあるという人は、劣化が進んだコーヒーを飲んでいる場合があります。
良い酸味のコーヒーには、苦味や甘みを引き立ててくれる役割が。
酸味が好きな人もどちらかと言えば苦手だと言う人も、一度試してみてください。
1. 焙煎が浅いコーヒー豆を選ぶ
浅煎りのコーヒー豆は、焙煎の熱によって「コーヒーの酸味成量が増えている状態」です。
そのため、酸味が目立つ味となります。
浅煎りのコーヒー豆は「コーヒーとは思えないフルーツのようなフレーバー」が魅力。
爽やかなフレーバーと、すっきりした酸味を楽しむことができますよ。
2. 低めの湯温で淹れる
ハンドドリップのお湯の温度を80℃にして抽出をしてみましょう。
酸味が際立つハンドドリップが可能です。
ただしあまりにも低すぎると、コーヒーの成分全体が抽出されなくなってい、とても薄いコーヒーが出来上がってしまいます。
普段より低い湯温で入れてみて「80℃」を目処に、酸味の違いを確認してみてください。
3. ハンドドリップを工夫する
詳しくは下記の記事で書いていますが、ハンドドリップによって酸味を抑える方法もあります。
厳密に言えば、浅煎りのコーヒー豆の良い酸味だけをサーバーに落とす方法です。
ハンドドリップの工夫次第で悪い酸味をドリッパーに残し、良い酸味だけを味わうことができます。
酸味が<ある><ない>コーヒー豆の種類とは?

酸味がある、ないコーヒーはどこの豆か、という問題はとても難しく、一概に答えることができません。
一般的に酸味がある産地と、酸味が少ない産地を挙げてみます。
<酸味が特徴的な産地>
- コナ(ハワイ)
- キリマンジャロ(タンザニア)
- モカ(イエメン、エチオピア)など
<酸味が比較的弱い産地>
- マンデリン
- ブラジル
- グアテマラなど
産地やコーヒー豆に合わせた焙煎
上記のコーヒー豆は、一般的に言われているだけで、必ず酸味が強い、弱いという例ではありません。
その理由は、焙煎度によって変わってくるからです。
コーヒー豆を焙煎をする際は、適当に焼き加減を決めているのではありません。
焙煎士が豆の持つ個性を考えて、適切な焙煎を行なっているのです。
モカを例に挙げてみましょう。
モカは「浅煎り」で焙煎されることが多いです。
モカを深煎りにすることで酸味は弱くなりますが、それではモカの持つ良いところを引き出すことができません。
モカの長所を引き出すためには、浅煎りがベストと判断した上で、焙煎度を浅くしているのです。
焙煎度を深くすればするほど、個性のある香りや味わいが損なわれていきます。
モカはとてもフルーティな香り。
なので、その個性を大事にするためには「浅煎りがベスト」だと考えられて、焙煎されます、
このことは「深煎り」でも同じことが言えます。
マンデリンは「苦味」と「コク」が長所で、それを活かすために深煎りにされることが多いです。
マンデリンを「こってりした味わい」で楽しむことができるのは、適切に焙煎してもらっているからです。
コーヒーの酸味の原因を知って、よりおいしく飲みましょう

どんなコーヒー豆にも、本来酸味があります。
もちろんマンデリンのように元々の酸味成分が少ないコーヒー豆もありますが、基本的には酸味は含まれていて、焙煎によって際立っていきます。
コーヒーの酸味の原因は、主に以下の4つ。
- コーヒー豆が浅煎りである
- コーヒー豆の鮮度が悪い
- コーヒーを抽出するときのお湯の温度が低すぎる
- コーヒー豆には元々酸味がある
嫌な酸味にだけ気をつけて、好みに合わせたコーヒー豆を選ぶようにしてみましょう。
適切に焙煎された酸味のあるコーヒー豆は、とても良い香りを楽しむことができます。
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